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「鬼師」の紹介

「鬼師」と呼ばれる職人の一つ一つ手作業で作る鬼瓦

Q.鬼師になって何年ですか?
A.18歳からはじめましたのでちょうど10年になります。
 
Q.鬼師というのはどのような仕事ですか?
A.瓦というとみなさん四角い屋根瓦を創造すると思いますが、鬼瓦などの立体的な瓦、手作業で瓦を造る人を鬼師といいます。屋根の一番上、棟の一番端のとめの部分に使われるものです。
 
Q.なぜ鬼師になろうと思ったのですか?
A.もともとなにかを作ったり、絵を描いたりするのが好きだったんです。学校の成績はあまりよくなかったけど図画工作、美術は誰にも負けなかったです。たまたま家が瓦屋で祖父が鬼師だったんです。小さいころからその仕事を見ていて漠然と鬼師になりたいと思っていたようです。ごく自然にこの仕事についていました。
Q.鬼師の仕事の師匠は?
A.祖父になると思います。ただ、ちゃんと教えてもらったことはなくて、作品はいつも見ていたのですが作り方は全くわからなかったです。仕事しているのを見るしかなかったのですが、それさえ嫌がって見せてもらえなかったんです。祖父は職人気質で保守的な人でしたから、女にこんなもんできるもんか!と、よく言われました。でもそれが逆に絶対続けてやる!という反発心というか負けん気が起こりました。それで一生懸命やりました。そのおかげで今の自分があるのかもしれません。
Q.今までの仕事の中で一番印象に残っているものは?
A.今治にある四国八十八か所の札所【延命寺】の鬼瓦です。ここの鬼は今まで作った中で一番大きくて私の身長よりも高いものです。これだけの大きさになるといくつかに分割して作ります。それぞれのパーツがきちんと合うようにつくり、そこから焼成します。割れずに焼き上がりそれを組み立てたときはすごい達成感があります。さらにそれが屋根に取り付けられた時、これから先何百年も残っていくのかと思うと感慨深いものがあります。
 
Q.女性の鬼師は少ないのでは?
A.たぶんあまりいないと思います。でも私自身では女性だからとか性別のことは考えたことはないんです。ただみなさん優しくしてくれますからそれは甘えているんですけど(笑)。それと作品も女性らしいとよく言われます。細かいところまで丁寧に作られていて繊細だといわれます。これは私としてはいいところだと思っています。鬼は激しいものですが、雑になってはいけないと思うんです。力強さと繊細さを兼ね備えた作品を作っていければと思っています。
Q.プライベートはどのように過ごしていますか?
A.週に1回の休みなのですが、ゆっくり休むことが多いです。時間がとれれば美術館に行ったり、作品展があれば出かけたりしています。やっぱりついつい創作活動のヒントになることを求めてしまっています。この仕事が天職なのかなあと思いますね。他の仕事をしている自分は想像できないです。
 
Q.今治(菊間)をどう思いますか?
A.海があり山があり自然がたくさんあっていいところだと思います。でも若い人が出て行って減っている。ほとんど友達も県外に出ていってしまっています。おだやかで住みやすく人間もみんな優しいと思いますので帰ってきてほしいですね。最近いろんな業種の方とお会いすることが多いのですが、みんな自分の会社だけでなく今治がどうしたら素晴らしい町に発展するかなど真剣に取り組んでいます。これから今治という町はどんどんよくなっていくのでは思います。
Q.これからの夢、やりたいこと。
A.歴史に残る仕事ができればいいと思います。ちょっと言い過ぎたかな…(笑)。菊間の瓦業も最盛期に比べるとずいぶん衰退しています。でも、その技術力は継承していかなければならないと思います。住宅の多様化、人口の減少で大量に作って大量に出荷することもなくなってきています。こんな時だからこそいいものをきちんと作って新たなブランド力を作っていきたいと思います。そして後継者をきちんと育てられる環境を作れればと思います。
株式会社菊銀製瓦
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菊間瓦製造・販売・施工
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